8月27日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】小売業界の販売が三月から六月の間に昨年比一〇%の大台を超す増加となり、経済成長が上昇気流に乗った感を与えている。六月の売上げは昨年比一二・八%増、今年上半期は九・三%増とそれぞれ過去最高を記録した。工業界の景気回復の兆しに伴う収入および雇用の安定が根底にあるが、いっぽうで四ヵ月間に渡る基本金利(SELIC)の据え置きによる無利子の長期月賦販売が消費者の購買意欲をあおっている。またインターネットでの通信販売や決済が若者に受けて、ネット販売は昨年比五一%の増加となり、流通形態も様変わりしてきた。
IBGE(ブラジル地理統計院)が小売業界の毎月の売上げの推移をまとめた結果、六月度の売上げ高は昨年同月比一二・八%増となり、一月―六月の上半期も九・三%増となった。これは同院が統計を取り始めた二〇〇一年一月以降最高の水準となった。とくに三月は一一%、四月一〇・一五%、五月一〇・八三%と連続四ヵ月間一〇%の大台に乗せていることが注目された。
なかでもけん引役となったのが家具および家電製品で、六月は六・三一%、半年間で二九・四%の伸びを見せた。これについて関係筋は、小売店の積極的な無利子による長期月賦販売作戦が功を奏していると分析する。この背景には中銀が四ヵ月間に渡り金利を据え置いたことで、少なくとも年内の金利上昇はあり得ないとのもくろみが動いている。また大手販売店のカーザ・バイーアが大々的に大売出しをテレビ・ラジオで宣伝しているのに対抗して他の小売店も次々とセールスを開始、消費者をあおっているのが活況を呈している原因となっている。
いっぽうで日常生活用品の食料・衣料・化粧品などソフト部門は、六月度八・七八%、半年間で五・〇三%の増加となったが、前述の家具や家電製品などのハード部門を超える上昇率を見せてこそ、流通経済の安定があると主張する向きもある。逆に燃料や潤滑油の価格が六月度、上半期とそれぞれ七・八%、四・一%増加したのは、公共料金値上げと同様に経済を逆流させるものだとしている。
また、インターネットでの販売は上半期で昨年比五一%の上昇となった。関係筋では三〇%の伸びを予測していた。これにより本年の予測を十七億レアルと、当初予想より一億レアル上方修正した。調査機関が四百五十店を対象に調べた結果、ネット利用者は十二月の二百五十万人から六月には二百七十五万人と一〇%増加した。
今年上半期の部門別売上げ増加率は(昨年同期対比)小売商店九・三三%、燃料および潤滑油七・二六%、スーパーでの日常品五・三八%、繊維および衣料ならびに靴七・三三%、家具および家電二九・四〇%、医薬品および化粧品一〇・九%、事務用機器および通信機器二七・五四%、文房具マイナス一・三三%、日用身の回り品一九・八四%、建材〇・九五%、自動車および部品一六・六八%だった。
全国商業連盟では、雇用の安定、工業界の復調による個人所得の上昇を踏まえ、一年間の稼ぎ時である年末商戦に熱い視線を向けている。