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貧困地帯に多い未成年者=「脱出できた成金は泥棒」=文化施設なく非行の温床に

8月27日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】十五才以下の未成年が人口に占める割合が貧困地帯では三〇%以上となり、中産階級地区の倍以上になっていることが明らかになった。これら貧困地帯では教育あるいはカルチャー、レジャー施設が皆無の状態で、雇用も全市の一%と極度に低く、労働社会からもはみ出しているため、非行に走る少年らの温床となっている。
 住民は貧困地帯を〃陽の当たらない場所〃と強調し、少年らの将来は〃殺されるか刑務所〃と極言する。そのうちの一人は「成金でこの地区を出ていったのは一人だけで、その人間の職業は「泥棒」だったと述懐する。未成年者の人口の増加は、二十才以下あるいは少女の未婚の母親が多いためだという。その数は市内一とのこと。
 サンパウロ市当局が初めて公表したデータバンクによると、未成年者が三割以上を占める地区は、パレリェイロスが三三・四%、シダーデ・チラデンテスが三二・六%、グァイナーゼスが三一・七%、ペルス三〇・九%、イタイン・パウリスタ三〇・四%となっている。このほか、二五%以上が十地区と続いているが、いずれも低所得階層の住居区。いっぽうで少ない地区は、ピニェイロス一二・二%、ビラ・マリアーナ一三・九%、セーナ四・四%、サント・アマーロ一五・二%、ラッパ一六・五%、サンターナ/トゥクルヴィ一八%となっている。二〇%から二五%までが九地区に色分けされている。
 シダーデ・チラデンテスは現在CEUS(教育総合センター)が開設され、教育施設以外にレジャーやカルチャー施設ももたらされたが、二〇〇二年の時点ではパレリェイロス地区(CEUSの建設プランはある)の現状同様、映画館も図書館もなかった。同地区に住む失業中の独身女性(二一)は、「する事がないのでゴミ捨て場となっている広場で一日時間を潰すのが日課」と語る。また、別の男性(二二)は、訓練所で仕事を覚え、求人に応募したところ、会社の人事課が住所を見て選考から外してしまったとのこと。
 市当局担当者は、これらの地区は殺人死体発見場所あるいは誘拐の隠れ家で有名になり、犯罪地区の代名詞になっている、未成年者の将来のためにもイメージの払拭と政治的解決が必要だとの見方を示している。