8月27日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】稲妻誘拐(セクエストロ・レランパゴ)が相変わらず頻発しており、当局は対策に頭を痛めている。犯罪がその名の通り迅速で、短時間で金を奪って被害者を解放する性質上、被害者も身の安全を確保したことで安心し(あきらめて)被害届けを出さないケースが多い。それでもサンパウロ州内では今年上半期に一千件以上の被害が明らかにされている。
これを受けてサンパウロ州保安当局は、アウキミン州知事の意向もあって、強盗の罪にさらに誘拐罪を加えて、これらの犯罪を重罪とするよう各警察署長あてに通達を出した。
誘拐は重刑法が適用されるため、裁判所がこれを認めると刑期は禁固二十年から五十年となる。しかし、司法関係者は、犯人が車に乗り込んで被害者の所有物を何も奪わずに現金自動支払い機に直行させて金を奪って逃亡した際に、重罪が適用されるかどうか疑問視している。また、バストス法相の肝入りで重刑法の見直しがなされている中、それに逆行するような州政府の動きを批判する向きもある。
通達が出された当日、男性が学生三人を拉致して逮捕されたが、警察は調書に強盗未遂と記した。州保安当局は、刑法が改正され統一見解が確立されるまでは、警察の取り調べによる罪状判断に任せざるを得ないとの態度を示した。