岩手県人会の、母県の人たちに向けた賛助会員募集は、どうやら成功の軌道に乗ったようである▼先月、『岩手日報』(県内で最大の新聞)が、ブラジルの県人会が賛助会員を募集している、と囲い記事で報道してくれた。これは、強力な〃援護射撃〃であると同時に、募集を真剣に受け止めていることを意味する▼賛助会員獲得の実績をいえば、去る七月末現在で三十六人。『岩手日報』に募集のことを紹介して下さい、と話を持ち込んだのは、外ならぬ第十三号賛助会員であった。すでに働いてくれているのだ▼『岩手日報』は、どういう人が賛助会員の対象であるか、つぎのように紹介した。「移住者の留守家族」「ブラジルで研修活動をしたい学生」「ブラジルへ年金移住したい世代の人たち」。賛助会員になれば、県人会の支援事業に参加する、ブラジル訪問に際しては情報サービス・アドバイスが受けられる、県人会ニュースなど刊行物を入手できる―としている▼最初、母県の人たちを対象に賛助会員を募るという発表を聞いたとき、うまく行くんだろうか、と危ぶんだ。しかし、杞憂だった。応募した人たちは、県人会からさまざまサービスを受けよう、というよりも、手伝ってあげようとする気持が強いのだと思われる▼県人会記念式典などに訪伯、参加して、ブラジルに「岩手県」が在ることを実感したのである。郷里を同じにするパトリシオを見つけたのだ。ブラジル岩手県人会の前途はぐんと明るくなった。(神)
04/08/27