9月1日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】ブラジル地理統計院(IBGE)は三十日、プロジェクト「ブラジル二〇五〇年」を発表した。そこでは五〇年に人口が二億六千万人、平均寿命は八十一歳に達すると予想されている。現在の人口は一億八千万人。人口増加率は低下し、六二年にはゼロに達する見込み。男女の比率は、現在の女性一〇〇対男性九七が男性九五に減少し、五〇年には女性が男性よりも六百万人多くなる。平均寿命が日本のレベルに達するには、まだ四十六年かかりそうだ。
IBGE発表の「ブラジル二〇五〇年」によれば、人口は一九七〇年に比べて倍増した。ブラジルも一九八〇年代から高齢化現象が始まり、将来訪れる深刻な高齢化社会に備え、年金政策の見直しが求められている。
九四年の高齢化現象は十四歳以下の青少年一〇〇に対し六十五歳以上は一八・三であった。それが二〇五〇年には六十五歳以上が一〇五・六と、ほぼ同数となる。一九八〇年に六十五歳以上の高齢者約六十万人は、二〇〇〇年には百八十万人となった。二〇五〇年には一千三百七十万人となり完全に高齢化社会になる見通しとなった。
国民生産力を分析するオリベイラ課長は、出生率と死亡率の減少が人口構成の高齢化に拍車を掛け、社会保障制度と医療制度の破綻という危険信号を発していると述べた。両制度に完全に依存する人たちにとって、十年後は受難時代の到来となりそうな兆候だ。
人口は増加しているが、人口増加率は五〇年代の三%から二〇〇四年には一・四四%に減少した。五〇年には〇・二四%となり、六二年にはゼロとなる見通し。国連調査によれば、ブラジルの人口増加率は百九十二カ国中九十四位と下位に属している。
人口百万都市が、国内に十四ある。多い順にサンパウロ市、リオ、サルバドール、ベロ・オリゾンテ、フォルタレーザ、ブラジリア、クリチーバ、マナウス、レシフェ、ポルト・アレグレ、ベレン、グアルーリョス、ゴイアニア、カンピーナス。全国五千五百六十市郡の中で、人口が増加したのは七二・六%で、減少は二七・二%。
人口の男女比率は、女性の平均寿命の伸びが影響している。十年前の平均寿命は男性が六六・七歳、女性が七四・三歳。男性の平均寿命低下の原因には、交通事故や殺人など自然死以外の事故が多く、治安の問題が影響している。
五〇年には男性の事故死が、女性の五倍も上回る計算だ。年齢別の死亡では、十歳から十五歳の男性の死亡数が女性のそれよりも一・五倍多く、五〇年には、この比率が三倍になるとみられている。
平均寿命は二〇〇〇年に七十歳に達したが、日本のレベルと比較すればまだ低い。ブラジルは平均寿命を引き上げるため、乳児の死亡率半減に挑戦した。しかし、目標達成には庶民の住宅環境や衛生設備、女性の教育水準など構造的な問題が横たわっている。
人口増加率の減少は、妊娠の減少にある。女性の妊娠率は八〇年が四・〇六%。〇四年は二・三一%、五〇年は一・八五%の見通し。
一歳未満の出生児一千人に対する乳児死亡数は、八〇年の六九・一人から〇四年は二六・六人に減少した。