9月1日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】地方統一選挙もあと一カ月余りとなり、選挙戦は最終コーナーを回ってゴール直前の直線コースに入った。サンパウロ市長選挙は現市長のマルタ候補(PT)が世論調査でトップに躍り出たことで勢いをつけている。これにセーラ候補(PSDB)、マルフ候補(PP)が追随しているが、マルフ候補が一馬身遅れていることから、マルタおよびセーラ両候補が事実上一騎打ちになるとの見方が大勢を占めている。
こうした中で市長候補らによる第二回テレビ公開討論が三十日、TVレコルディで行われた。内容は終始マルタ、セーラ両候補の攻撃戦となり、マルフ候補を除いた他候補は援護射撃に回った形となった。しかし、大半は現マルタ市政を批判する立場を貫いた。
討論は冒頭から激しい批難の応酬となった。セーラ候補は、マルタ候補が選挙の目玉としているCEUS(教育統一センター)を砂上の楼閣だと決めつけ、実の伴わない人気取りのためのものだと批判した。さらに保健について無政策だとの指摘にマルタ候補は市予算の三二・九%を医療保健プランに投資したと反論した。
セーラ候補を援護する形でシロ候補(PSDC)は、街灯のない三千の街路の住民から街灯税を徴収していると非難した上で「即刻同税を廃止すべき」と発言した。注目されたのは、エルンジーナ候補(PSB)がサンパウロ市中心街で発生したホームレス連続殺人事件に言及したもので、サンパウロ市の無策とサンパウロ州の警備の怠慢を指摘したことに両候補は回答しなかった。
第一回目のTVバンデイランテスの討論会とほぼ同じ内容だったというのが大筋の感想だが、主な発言は次の通り。「採用試験なしで市役所職員を登用するPTの政治は腐敗している」(マルフ候補)、「電柱もない街路の住民から徴収している街灯税は少なくとも払い戻すべきだ」(セーラ候補)、「住民問題を解決しないので、ホームレスが急増している」(エルンジーナ候補)、「PSDB州政権は十二年間でアルミ缶のようなみすぼらしい学校を二百八十校建設した」(マルフ候補)、
IBOPEの調査によると、今回の討論会の視聴率は平均6ポイントで、ピーク時も6・7ポイントと低調だった。前回は6・0から8・5でピーク時は9・1ポイントで相変わらずグローボやSBT局にチャンネルを合わせた人が圧倒的だった。