9月3日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】詐欺、横領、カードの悪用、銀行口座からの不法引き落としなどの犯罪が後を絶えない。電話やインターネットのサービスが増加するにつれ、犯罪にもこれらを駆使した巧妙な手口が現われ始めている。相手が見えないため警察は犯罪の立証が難しいとしている。こうした犯罪を取り扱う組織犯罪課(DEIC)には、毎週三十件から四十件の被害届けが出されているという。これから年末にかけて買い物シーズンとなり、また十三ヵ月給与のボーナスで市民の懐があたたかくなるのを狙う犯罪者にとっては絶好の時期が来ることで、当局は警戒を呼びかけている。とにかく相手にスキを見せず、自己防衛に常日頃心がけることが肝要だ。
同捜査課の検証によると、電話による被害が最も多いという。電話の相手は言葉巧みに、こちらに話をさせる時間を与えず自分のペースにはめ込んでいく。応待も長年の知り合いみたいな錯覚を起こすような会話のやりとりをして相手を信用させる。例えば新聞広告「電話一本ですぐ融資」に電話すると、相手は型通りの身の上調査をした上で、「O・Kです。希望の金額をあなたの口座に振込みますが、その前に経費として二百レアルを口座×××に振り込んで下さい」と来る。借りる方はすっかり信用して二百レアルを振り込むが後はなしのつぶてとなる。これが常套手段だが、いっぽうで実際に振り込んでくる場合がある。しかし振り込んだ小切手が盗難にあったものだったから、借り手は警察で取り調べを受け、無実を証明するのに大わらわだという。銀行法によると中銀に登録している金融業者が不法行為をした場合、損失金は賠償の対象となるが、いわゆるヤミ金融業者は、警察に摘発されても損失金は戻ってこない。つまり泣き寝入りとなるので注意が必要だという。
さらに被害が多いのが、銀行やカード会社の者だと名乗って口座番号やカード番号を巧みに聞き出し、悪用するケース。銀行やカード会社では顧客に対してこういう質問は一切しないことを知っておく必要がある。この場合は即座に電話を切って、銀行に問い合わせるとともに、銀行側にも注意を促すこと。
またカードで買い物をする場合、カードをいつも視界に入れておくこと。別室にカードを持っていかれた場合は、必ず悪用されていると思うこと。
いっぽうで、本人が気づかないうちに情報が漏洩して悪用されることもある。買い物をして長期ローンやカード作成に質問事項があるが、個人情報、プライバシーに関わる場合、答える必要がない。これは消費者保護法に唱われており、商店側が違反した場合訴えることができる。
さらに注意事項として、電話で知らない相手と商談しないこと。品物を見ないで買わないこと。とくに自動車で格安の売り物がある場合は、往々にして盗品であることが多いという。こういう種類のトラブルに巻き込まれた場合は、プロコン(消費者擁護機関)が相談に応じる。現在電話1512だが九月十七日から151に変更となる。