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線路止めに列車衝突=ブラックボックスで原因究明

9月3日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ州都市圏鉄道公社(CPTM)のブラス駅構内で二十五日午前九時、列車が停車せずに防止ブロックに衝突する事故が発生した。
 この事故で乗客百人がケガをし病院に運ばれたが、軽傷で大事に至らなかった。同駅は終点で、列車速度は停車前の時速五キロだったため惨事を免れた。同鉄道では全車両および機器類を点検するとともに、運転室にあるブラックボックスを分析し、事故の解明を急ぐという。ブラックボックスは通常飛行機に搭載されているものだが、同鉄道では事故の多発により搭載していると説明している。乗客の証言によれば、事故当時に運転士が携帯電話で話していたとのことで、ブラックボックスが事故解明の鍵となると見られている。
 事故が起きた区間は同鉄道内でも事故最多発区間となっている。いっぽうでサンパウロ州アウキミン知事は五月、列車事故防止のために車両四十九両の改修に加え、利用客の多いエルメリノ・マタラゾ駅の改築および新たにジャルジン・エレナ、ジャルジン・ロマノ、USP駅の設置を公表した。
 今回事故が起きたのはカルモン・ビアナ発のF線で、終点のブラス駅に到着した際、ブレーキが作動せずオーバーランして防止ブロックに衝突した。これにより先頭車両の前部が破損した。停車のためスピードを落としていたが、全重量三百トンの衝撃は強力だという。このため立ち上がっていた乗客が将棋倒しとなった。乗客らは駈けつけた消防隊に最寄りの病院に運ばれたが、いずれも軽傷だった。
 この路線にはスラム街が密集していることから、これまでにも人身事故が多発し、住民と同鉄道のいざこざが絶えない。また二〇〇一年には運転士のミスで列車同士の衝突が発生、一人が死亡、四十一人が重軽傷を負うという惨事となった。