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ブラジル人3人=大手柄=静岡・川で溺れる65歳男性を救助=地元警察が感謝状

9月3日(金)

 三人のブラジル人が静岡県の天竜川で八月三十一日、水に溺れ流された男性(65)を助けていたことが明らかになった。この功績に対し地元警察署から感謝状が贈られた。
 二日付インターナショナル・プレス紙によると、救助に当ったのはカワイ・チエミ・アレサンドラさん(24)、アレサンドロ・ヴァレンサさん(24)、タテマツ・ドアルテ・アウベルトさん(24)の三人で、河岸でシュラスコ・パーティをしていたとき、川を流されている男性を発見。アレサンドロさんがまず川に飛び込んだ。水中で動かなくなっていた男性を見、「もう息が絶えている」と思ったが、必死に陸上に引き上げた。その後、タテマツさんが「ぐったりして血の気がなかったのを覚えている。すぐに人工呼吸をほどこした」
 アレサンドロさんは川に飛び込む一瞬、自身の命の危険を感じ、「抱き付かれたら終わりだと思った。背後から抱えるように心がけた」と振り返る。男性はヘリコプターで近くの病院に運ばれ、手当を受け一命を取り留めた。
 その後、警察の事情聴取に三人は「わたしたちはブラジル国籍。男性との関係を疑われているのではと心配していた」。しかし、地元警察の署長は三人の正義感と、勇気ある行動を「ブラジル人犯罪がよくニュースになるが、それはほんの一部の人に限ったこと。今回の人命救助は、ブラジルと日本の連帯を感じさせるもの」と称え、地域の警察や社会に対し、ブラジル人在住者が望むことに耳を傾けたという。