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ルーラ大統領=銀行融資促進を訴え=工業部門成長維持に不可欠=進まぬ小口融資に不満漏らす

9月4日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ルーラ大統領は二日、首都ブラジリアで行われた会合で連邦銀行首脳部に、融資案件などに対して速やかに対応するよう要請した。
 大統領は工業部門の成長を維持するには銀行融資が不可欠で、業界と銀行は表裏一体となるべきだとし、業界が提出するプロジェクト案件の承認と融資を可及的速やかにするべきだとの態度を示した。さらに各銀行は専門分野に色分けされていることを再認識するよう促した。例えばBNDES(社会経済開発銀行)は大型プロジェクト案件、ノルデステ銀行は私企業および農業従事者の生産向け融資、連邦カイシャ・エコノミカは住宅購入および建設への融資、伯銀は小売業界への融資となっていることを強調した。さらに大統領は、家族営農者へのクレジットと一般大衆向けの小口融資が少ないと指摘した。小口融資については大統領就任直後に打ち上げたプランにもかかわらず銀行筋の貸し出しは予想の二〇%にも満たないとの不満をあらわした。
 これに対しBNDESのレッサ総裁は、同銀行の本年融資予算は四百八十億レアルだが、これまでに二百四十億レアルが貸し出されており、決して遅いペースではないとし、通常年末に貸し出しが集中するので予算の消化は可能だとして、大統領の指摘は心外との態度を明らかにした。さらに融資の打診は昨年比で一四五%増加し、プロジェクト審査は九八%増となったと反発した。さらに加えて記者団に、フルラン開発相が先にBNDESの融資決定に時間が掛かり過ぎると発言したことに対し「パン屋(パダリア)でもあるまいし」と、大型プロジェクトはそれなりに充分な審査が必要だと怒りをあらわした。
 いっぽうでノルデステ銀行、連邦カイシャ・エコノミカもそろって大統領に反発、目標の半分はすでに貸し付けが終わっており、本年は昨年比で大幅な融資増となるとの見解を示した。
 GNP(国民総生産)の予想外の成長を追い風として大統領は檄をとばしたつもりが、銀行の猛反発を喰らった挌好となった。