9月7日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】九月に入り商工業界に値上げの気運が高まってきた。この背景には、経済回復の兆候が現れ、一般労働者の収入増による購買力の上昇が顕著となったことが挙げられる。
今年第2・四半期の消費は前年同期比で五%の増加となり、実に一九七七年以来の上昇をみた。九月は昇給の時期で、さらに十一月には十三カ月目の給料が支払われることから、年末の買い物シーズンで購買力が増す。エコノミストらは、需要が増えれば物価が上がるのは流通経済の自然現象だが、問題は消費者がどの程度受け入れるかだと指摘、現状では消費者の抵抗なく値上げが浸透する基盤が確立されているとの見方を示している。
いっぽう工業界では一次産品の原料が値上がりしたことで、製品価格にそれが反映されている。家電メーカーは原料の鉄、プラスチック、紙などの値上げを受け、一〇%から一五%の製品価格の値上げが必要だとしながらも、消費者へのインパクトを考慮しながら、小売店と値上げ幅を検討する意向だ。関係筋は、金利据え置きの原状から値上げ分を長期支払い期間に転嫁することでインパクトを和らげたいとしている。
しかしエコノミストらは、既に値上げを実施している製品もあり、インフレにはさほど影響はなく、本年度のインフレは当初目標を達成すると楽観視している。