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労使協定に財務相激怒=基本金利引き上げ阻止へ=減税、ベア抑制も盛り込む=官房長官は協定を擁護

9月9日(木)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】欧州の投資家らがインフレ再来を懸念したことを受けて、パロッシ財務相は六日、サンパウロ州工業連盟(FIESP)と労働組合が基本金利(SELIC)の引き上げ阻止へ向けて労使協定を結んだことを非難した。同協定は物価の高騰を増長、甚大なインフレ・リスクを招いて、経済成長に先行き不安をもたらすとした。一方、ジルセウ官房長官は労組の方針を弁護し、ルーラ大統領は基本金利引き上げに反対の意向を示したため、政府内の見解は二分した。
 労使協定は期限を三年とし、企業は製品の価格管理に細心の注意を払い、設備投資を行う。政府は減税を実施、銀行は金利を下げ、労働者はベア調整をうるさく要求しないというもの。パロッシ財務相は、大統領のお墨付きでもある労使協定につき、中央労組(CUT)のお膳立てを真っ向から非難した。労使協定は製品価格の調整を公式に認めたものだという。
 財務相は、協定を結ぶ前にメーカーは価格を調整済みだったと訴えた。政府の経済政策が功を奏し始めたことを知りながら、労使協定を締結するのは政府に対する不信感のあらわれだと不満を漏らした。上半期の経済成長率四・二%と発表された時点で、識者らも年間四・五%は堅いと踏んだのに、これまでの努力を水泡に帰する気かと財務相は憤慨した。
 一方、官房長官は経済閣僚会議で少数派となった財務相を尻目に、労使協定を擁護した。労組支援はPTの方針であり、PTは労組に支えられてきたと述べた。官房長官はヴァウドミロ事件が山場を越えたことで、失地回復に出たようだ。労使協定を政治勢力の新しい地盤に利用するらしい。
 次回の通貨審議会(COPOM)開催に先立ち、インフレ対策会議の召集が予定されている。五カ月間にわたったSELIC一六%の据え置きが期待される一方、物価の値上げ攻勢と中央銀行の金利引き上げ示唆が市場関係者の頭を交錯している。
 労使協定では、製品価格の据え置きと設備投資の増額は金融コストの削減と減税を前提条件としている。しかし、消費者物価指数(IPCA)は、諸製品の価格が暴騰寸前にあることを示している。 中銀はインフレ管理に、万全を期していると公言した。経済の回復が続く限りインフレは抑制できると中銀はみている。国内のインフレ抑制は五・五%プラス二・五%で万全というが、為替変動と原油の高騰はいつでも抑制のたがを外す恐れがある。
 基本金利の引き上げについては、政府内の意見が二分している。大統領は報道官を通じ、引き上げ反対の意向を示した。生産部門の省庁は軒並み反対に回っている。経済回復は国際環境の好転によるものではなく、経済政策が的を射たものだとする意見と、中国経済の波に便乗したお陰だとする意見がある。
 〇三年中頃から〇四年三月までの基本金利引き下げが、今日の経済活性化の基となったとする考えでは誰もが一致している。現在の経済成長率を維持するために、至急外貨の流入が不可欠との意見が大勢を占めている。

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