9月10日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】政府は八日、発行済みユーロ建て国債七億五千万ユーロ(ドル換算九億一千三百万ドル余)を完遂したことを明らかにした。利回りは八・七%で、ルーラ政権としては始めてのユーロボーナスで、ユーロ諸国では予想以上に人気を博し、当初予定を上回る投資が集まったことに政府は気を良くしている。
中銀のメイレレス総裁は、ブラジルの輸出が急増したことでも分かる通り、対外的信用を得たことが最大の原因だとしている。このほか、ブラジルのカントリーリスクが五百ポイント以下に下落して安定度が増したこと、アメリカ向けの投資の利回りが下って妙味がなくなってきていることも追い風となり、外国投資家がブラジルに目を向ける要因となっていると分析している。さらにペトロブラス(石油公団)が時期を同じくて六億ドルの公債発行に成功したことがこれを裏付けている。一連の資金流入に外為相場は反応を示し、八日の外為相場は一ドル=二・九〇レアルと〇・四一%のドル安となった。
今回のユーロボーナスは当初五億ユーロを目安に公開された。当初から取引の目玉商品として人気を博し、一時は四倍に上る買い注文が入ったが、結局七億五千万ユーロで締め切られた。この資金は今月三十日に満期を迎える過去に発行した国債五億三千三百ユーロの支払いに充てられ、残りは国庫準備金に組み入れられる。
政府予算案では、本年中に五十五億ドルの国債を発行することになっていた。このうち十五億ドルが昨年末に発行済。今年一月―六月の間三回にわたり総額三十億ドルを発行したことから、予算達成には十億ドルを余すのみとなっていた。今回のユーロボーナスで目標達成となる。
これにより本年の国債発行はこれ以上必要なくなる訳だが、政府および金融エコノミストの間では、世界の投資家がブラジルに目を向けているチャンスを逃さず、機を見てさらに国債を発行し来年の準備金とすべきだとの声が強い。これが公債、社債発行の呼び水となるとの態度を示している。この外資導入により、今危機に直面している設備投資が解決され、さらなる経済成長につなげられると指摘している。