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コラム 樹海

 さきごろ来伯した武部勤衆院議員が、コチア青年のことを小泉純一郎首相に報告したいというので、首相に見てほしい〃資料〃が同議員に託された。というのも、コチア青年は来年来伯五十周年を迎え、青年たちはもう古希の年齢、節目の式典をするのは、これが最後である可能性がある、ついては、首相にもこのことを知ってもらいたい、というわけである▼託されたのは、五十周年祭の趣意書、同記念事業の見積書、既刊のコチア青年三十年史、同四十五年写真集などであった。出版物はコチア青年二千五百人が、この国に印してきた足跡を記録したものだ▼さて、五十周年が最後の節目の祭典になりそうだということだが、計画されているのは、「記念式典」挙行、「青年の森」造成(植林)、「記念誌」発行。意外なほど風呂敷は広げていない。己を知っているというべきか。最後の節目としては地味だ。移民百年祭典協会の事業案とは、対照的といえる▼主催者である連絡協議会は、これまで自身たちの成長、資産の蓄えとともに、それにふさわしい公的な事業をすすめてきた。嫁さんの世話を関係機関にしてもらい、こどもを儲けたときは、赤ちゃんコンクール、つぎに子女を日本向け研修に行かせ、銀婚式をやり、ついには還暦・古希を合同で祝うほどに加齢してきた▼小泉首相は、手元に送られてきた、ブラジルにおける自身より高齢の〃青年〃を自称する人たちの存在を知って、どのような感想をもらすであろうか。

04/09/10