9月15日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】サンパウロ市環境局が大サンパウロ市圏二十三カ所で大気の質を測定した結果、二〇〇四年の冬(同局の基準で五月一日から九月三十日まで)に同圏の大気は過去五年間で最悪だったことが判明した。
大気の質が健康に害を及ぼす危険レベルに達した回数は、九九年に二十九回を記録した後、〇〇年から〇三年までは六回から十一回まで減少していたが、〇四年に二十二回まで再び増加に転じた。
冬の大気汚染の元凶は、春夏同様にオゾン。オゾンは自動車や工場などから排気される窒素酸化物と炭化物が太陽光で反応して生成、晴天で暑く、乾燥する日に発生しやすくなる。大気上層のオゾンは紫外線を減らすメリットがあるが、地上近くのオゾンは目や呼吸器官に害を与え、ガンの原因ともなる。最新の研究によると、妊娠率を低下させ、人を苛立たせることで間接的に犯罪を増加させているという。大気汚染が原因で一日平均十人が亡くなっているとの推計がある。
発生元が様々な原因物質が化学反応して生成するため、オゾン発生の根本的な防止は困難とされる。対症療法として、ビタミンCとEといった抗オゾン剤の使用が検討されている。ガソリンスタンドでの排気ガス検査や、ガソリンの成分変更もオゾン減少に有効で、サンパウロ市は〇五年以降に排気ガスの検査を実施に移し、大気汚染を三〇%から四〇%減らす計画を立案した。公共交通機関の整備とその利用促進も汚染減少に有効で、サンパウロ市長選各候補者はその点で意見が一致している。