9月18日(土)
十六日にブラジリアの大統領府で行われた小泉首相とルーラ大統領による首脳会談後、今後の日伯関係強化や国連改革、経済交流など幅広い分野を包括した共同声明が出された。二回にわたり、その内容を掲載する。
◎両首脳は、百年を越える友好協力関係を回顧した上で、両国関係全般の強化に向けて強い決意を表明した。両首脳は、日伯関係の基盤をなす政治的、経済的及び人的繋がりについて話し合うと共に、それらを更に緊密化するために努力することで一致した。
◎両首脳は、両国間のハイレベルの往来の重要性につき考慮した。ブラジル連邦共和国大統領は、日本国総理大臣のブラジル訪問が非常に有意義であることを強調した。日本国総理大臣は、双方の都合のよい時期にブラジル連邦共和国大統領が訪日することを招請した。ブラジル連邦共和国大統領は、満足の意をもって右接待を受け入れた。
◎両首脳は、一九〇八年以来の日本人の移住者によるブラジルへの貢献を賞賛するとともに、二〇〇八年に迎える移住百年を「日本ブラジル交流年」として祝うこととする旨確認した。また、両首脳は二国間関係の更なる深化に向けての将来の機会について提言を行うため、「日伯二十一世紀協議会」を設立することとした。
◎日本国総理大臣はブラジルに渡った日本人移住者がこれまで受けた温かい歓迎に対し謝意を表明した。ブラジル連邦共和国大統領もまた、ここ数十年の間、在日ブラジル人コミュニティが日本の経済・社会の一層の発展に貢献する機会を友好に受けてきたことに謝意を表明した。この点に関して、両首脳は、人のつながりが両国間の友好と互相理解の一層の増進に重要な役割を果たしていることで一致した。両首脳は、就労、教育、福利及び輸送上のつながりが、二国間関係を共に高めていく上で重要な要素であることを認識した。
◎両首脳は、日伯間で政治関係が一層強化されるべきことを確認し、日伯二国間及び日メルコスール間で政治・経済事項に関する政府間協議が進められていることを歓迎した。両首脳は、その一層の増進、閣僚を含む高いレベルの相互訪問の推進、及び行政府間のみならず立法府間でも交流が活発に進められていくことが重要であることで一致した。
◎両首脳は、二国間の経済及び通商関係を再活性化する好機にあるとの共通の認識に達した。両首脳は、日伯間、日メルコスール間における経済関係の再活性化に向けて、種々の方策を模索すべく、官民双方で協力していくこととした。これに関連し、両首脳は、明年日本で開催される予定の日伯経済合同委員会の成果を期待した。
◎両首脳は、両国経済が共に力を高めあっていき、また補完的であるという側面は、両国関係に新たな活力を与える重要な機会を伴うものであるとの認識で一致した。これに関連して、両首脳は、エネルギー、原料資源、インフラ、環境及び食料安全保障の分野におけるブラジル側の戦略的な計画に対し、日本側協力による重要な貢献がなされていることを満足の意をもって認めた。両首脳はまた、両国により将来の協力プロジェクトのための重要な機会がもたらされていることに言及した。