9月22日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】アマゾン川支流のネグロ川で十八日、フェリーが転覆し乗客十一人の死亡がこれまでに確認された。消防と水上警察は行方不明者の捜索を続けている。しかし乗船名簿に記載せずに乗り込む慣習があるため、行方不明者の断定は困難となっている。
事故は十六日午後ごろ、バルセーロス市を出港した直後に同フェリーは嵐に遭遇し、突風を受けて転覆した。船は風に流されて川岸近くに漂流したため、九十三人が泳いで岸にたどりついたり救助船に収容されたりした。これまでに十六歳から二十才までの少女五人と三人の児童の遺体が発見された。いずれも船室内にいて溺死したと見られる。
死亡した少女のうち十六才と十七才の二人は外国人観光客らと数日間、いわゆるセックス・ツアーをしていたことが判明し、古くからのセックス産業が未だに存続していることを浮き彫りにした。このツアーに同じ目的で同行した数人の少女らが身許確認に来て実態が明らかとなった。観光客らはクルーザーで立ち去り、死亡した少女らはフェリーで自宅のあるマナウス市に帰るところだった。家族は何も知らなかった。
船主が同じであるフェリー水難事故はこれが三度目で、四年前にはイランドゥーバ市で二十人が死亡している。一九九九年には五十人が死亡しているが、この時は定員の倍の三百人が乗船しており原因は定員オーバーと断定された。