9月22日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】ブラジルのエビ養殖(リトペナエウス・ヴァナメイ)が、生産性で世界水準を大きくリードしている。世界水準がヘクタール当たり九百五十八キロのところ、ブラジルは六千八十四キロと技術力が圧倒的に高い。
ブラジル産エビの米国市場進出も激しく、ダンピング騒動を起こした。米国向け輸出エビには三六・九一%の関税がかけられている。米国南部のエビ養殖業者が、米国市場を席巻する輸出業者の六大商社に対しダンピング訴訟を起こした。
訴訟の対象となったのは中国、タイ、ベトナム、エクアドール、インド、ブラジルなど。ブラジルの企業で訴えられたのは、ネトゥノとシーダ、ノルテ・ペスカの三社で六七・八%の課徴金を課せられた。
米国のダンピング訴訟に関わらずエビ養殖は、有利な産業として目を引いている。〇三年の売上は二億二千六百万ドル、〇四年はすでに三億ドルを売り上げた。養殖場面積は過去五年間に三一八%増え、一万八千ヘクタールに及ぶ。
〇四年の生産高は十一万七千トン。九九年までの国内消費向けから、レアル通貨の下落により海外輸出に進出し、五年間で八〇〇〇%の増産となった。最も盛んなのは北大河州、続いてセアラ、バイア州。北大河州は気候も養殖に最適だ。
ブラジル産エビの味はアジア産より美味とされ、抗生物質も含まない。アジアと中米には病原菌ヴィローゼの問題がある。またブラジルの気候はウイルスが繁殖しにくい。エビの卵のふ化が垂直方式なのも有利な原因の一つ。中米やアジアでは、海で幼エビを採集するので衛生管理がない。
一方、淡水のマレーシア種エビ養殖も盛んだ。ピダーデのPLブラジルでは、ヘクタール当たり一千六百キロを生産、ロット当たり一万五千から二万レアルの収益だ。一年半前からエビ養殖観光を始め、エビ試食のレストランも併設した。観光客が年間、五トンのエビを平らげるという。他に種エビを飼育、卵をふ化して幼虫も販売している。見学も多いので、年四回の養殖教室も開設した。
幼エビの価格は、一千匹当たり五十八レアル。淡水エビ養殖に理想的な気候は、常夏の中央西部という。下請けの養殖場からはキロ当たり、十三から十五レアルで買い上げている。大きさによっては、二十二から三十レアルになる。養殖場での生産原価はキロ当たり八から九レアル。