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財政黒字、GDP比4.5%へ=税収増で可能に=インフレ抑制、投資拡大実現=05年は減税検討へ

9月24日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】ルーラ大統領は二十二日、プライマリー黒字(金利支払いを除く)を従来の国内総生産(GDP)の四・二五%から四・五%へ引き上げることを正式に決定した。政府はこれで、債務の金利決済に必要な四十二億レアルの資金を確保できる。財政黒字は七月までで公共投資を差し引かず五・五九%となり、目標を達成していた。パロッシ財務相は基本金利(SELIC)の引き上げを回避するため財政黒字の捻出を求めていた。
 財務相は閣議で決定したプライマリー黒字の引き上げにより、流通通貨の減量と政府購入の節約、公共投資の見直し、消費の制限、インフレ抑制を実施すると発表した。自転車操業は終わり、大統領の意向で財政黒字に基づき減税を行うことも表明した。
 財政黒字引き上げ宣言は、二十七日から米国で行われる国際通貨基金(IMF)との会合に向けた布石ともみられる。連邦予算基本法(LDO)で定められた〇五年度黒字目標は四・二五%だが、税収の増加により四・五%を定着させる。経済環境の好転によって黒字引き上げが可能になり、財政政策が有利に展開することを財務相は示唆した。
 政府は〇三年に財政黒字を三・七五%から四・二五%へ引き上げた。今回は、さらに四・五%へ再調整だ。財政に余裕を持つことで高金利政策は緩和され、債務金利の決済は順調に運び、景気落ち込みの危険性も遠のいたとしている。
 中央銀行の通貨審議会(COPOM)が基本金利を〇・二五%引き上げる前にも、財政黒字目標の引き上げによる金利政策は話題になった。〇四年上半期に財政黒字は、目標三百二十六億レアルに対し四百六十一億レアルに達し、百三十六億レアル超過した。
 七月末時点の財政黒字は、GDPの五・五九%に達した。年決算で七百四十六億レアルの税収が予測され、GDP比四・六五%となる見込みだ。政府予算の収支決算は下半期に行い、五・五九%は削られる。それでも財政黒字のGDP比四・五%は可能という見通しができた。
 〇四年の税収記録更新は、政府にとってハプニングだった。納税者には厳しい税の取り立てだったが、八月までに百十二億レアルの税収増の見込みだ。数字だけなら、GDP比五%にも達する。予算カットを行わない財政黒字の達成がみえてきた。
 〇五年度予算は、二千八百十億レアルが見込まれている。そのためには月平均二百三十四億レアルの税収が必要だが、八月までに平均二百四十三億レアルと好調。この調子が継続するなら年末までに二千九百二十二億レアルの税収予定で百十二億レアルの余裕ができる計算だ。
 〇四年の黒字財政の努力により、〇五年以降の減税を検討すると財務相は言明した。黒字財政はカントリー・リスクの軽減により投資を呼び、さらに経済成長へと循環する。〇五年の経済環境は、大きく好転すると予想される。政府は港湾設備の改善など、緊急投資を必要としている。限られた財源で即見返りのある有効な投資計画を練っていると財務相は説明した。