9月24日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】南リオ・グランデ州でスクールバスが貯水湖に転落し、通学途中の学生十七人が死亡、残り十三人は辛くもバスを脱出し、難を逃れた。いっぽう、同日、パラー州でも州内長距離バスが横転し、九人が死亡、二十一人が負傷した。うち七人が重体となっている。南と北で奇しくも同時に発生した事故は改めてバス事故の悲惨さを浮き彫りにした。運転ミスであれ、車体やエンジンの不備であれ、人為的ミスの非難は免れない。
南リオ・グランデ州北部のエレシン市(州都ポルト・アレグレ市から三百七十キロ)で二十二日午前六時半、十二才から十七才の生徒三十人を乗せて学校に向かっていたスクールバスが貯水湖に転落した。バスは水深八メートルの場所に転落したため、十七人がバス内で溺死した。
運転手を含む残り十三人は辛うじて窓から脱出して四メートル離れた岸辺にたどりついた。この事故で、十四才のルッカス君は、いち早くバスの外に脱出したことから、車内の友達二人を引っ張り上げ救助したが、三人目の少女に抱きつかれて身動きが取れず共に溺死し、人口九万人の同市民の涙を誘った。
警察は事故の原因を調査中だが、小降りの雨で道路の地盤がゆるんでいたのに加え、スピードの出し過ぎの可能性もあると見ている。同市の市長は史上初の大惨事とし、三日間喪に服することを公表した。
いっぽう、同日午前一時ごろ、パラー州国道BR―222のロンドン・ド・パラー市とドン・エリゼウ市の境で長距離バスが横転し、九人が死亡、二十一人が重軽傷を負った。バスは二十一日夜、コンセイソン・ド・アラグアイア市(州都ベレン市から千八百七十キロ)を出発し、ベレン市に向かっていた。事故が起きた時、大半の乗客が眠りについていたが、起きていた乗客の証言によると、運転手は居眠り運転をしていた気配があると語った。さらにこのバスは途中で何度も停車し、何か異常があったのではと話している。事故現場は急カーブで、曲がりきれずに二度三度と横転した模様。警察の調べによると、ブレーキの跡が見られないという。