9月24日(金)
将棋の天才少年から、熱帯雨林の〃弓場勇〃へ。
赤道直下のアマパー州都マカパー市に住む江越克将さん(31)は、ブラジル代表として2000年1月の第1回世界将棋選手権大会で優勝。翌年、アマ竜王戦の海外代表として半年間、招待されて日本にも行った。将棋関係者には、日伯を問わず有名な若者だ。
初来伯は96年。数カ月をサンパウロ市で過ごし、すぐにパラー、アマパーと原始林を求めて移動した。「僕の夢は、原始林の中に自給自足する共同体を作ることなんです」と、赤道の空気よりも熱い。「食べ物、燃料、通信など、全て自給自足。物を捨てないで、完結する共同体を作りたい」
10歳で始めた将棋では、わずか3年で香川県代表に。14歳で世界大会ベスト8。13~15歳まで、プロ養成制度の奨励会に入って、プロの内弟子として修行した。周りからは天才少年と言われたが、本人は「僕は子どもで、まだ夢を見ていた時代だった」と醒めている。
「こんな狭い世界で生きるのはイヤだ」と世界旅行にでたのが16歳。彼について描いた本やTV番組も。
新たな夢の足場として2年半前、マカパーに家を建てた。後は「僕の理想を分ってくれる女性と出会いたい」。 (深)