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警官、無抵抗の青少年射殺=家族ら関係者激怒=当局ミス認め、背後関係捜査へ=リオ市

9月30日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】リオ市で二十七日、二人の麻薬組織員が警官に射殺された。しかしこの二人は無抵抗だったことから捜査の行き過ぎ、職権乱用の疑いが浮び上った。
 事態を重視したリオ州保安局は指揮官と警官五人を停職処分にするとともに、自宅待機させた上で本格的な取り調べを行うことを明らかにした。さらに当局は、ほかにも捜査を名目としながら、復讐やえん恨を理由に警官による〃殺人行為〃が公然と行われている可能性もあると見て、追及していく方針を固めた。
 事件はリオ市北部のファベーラ(スラム街)、モーロ・ダ・プロビデンシアで発生した。麻薬取り締りの捜査で市警特殊部隊五陣がファベーラ内に突入し、指揮官がヘリコプターで空から指揮していた。実はこのヘリコプターにリオ市のオ・ディア紙の記者が同乗し、一部始終を撮影していたことから事態が明るみとなった。
 写真によると警官らは突入直後、二人を拉致した。二人は警官が構える小銃の前に膝まつき、両手を頭上に組んで無抵抗の状態だった。だがその次の映像では二人は死体となって警官に運ばれている。同行した記者によると、指揮官がヘリコプターから「殺害」を命令したという。
 殺害されたのは二十四才と十六才の青少年で、これまでに数度、麻薬取締法違反の罪で検挙されている。二人の葬式に参列した関係者らは「捜査の行き過ぎを通り超えている。これは殺人行為だ」と激怒している。
 当局は明らかに警官らのミスとの見解を示し、指揮官を始めとして復讐やえん恨の事実など背後関係を調べていくとの方針を固めた。また、以前にさかのぼって調査するとともに、再発防止を徹底させるとの態度を明らかにした。