10月1日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】二○○三年十月までの過去一年間、つまりルーラ政権が始動して一年間の国民生活水準は、過去十年間で最悪の灰色生活の様相を呈した。
IBGE(地理統計院)がまとめた結果によると、この時点での総人口は一億七千三百九十六万六千人で、推定就労可能人口一億四千二百九十八万人のうち七千九百二十五万一千人しか定職に就いていなかった。逆に失業者は八百五十三万七千人で八・四%の増加となった。
失業率の推移を見ると、一九九三年に六・五%だった失業率は、一九九五年には六・一%に減少したが、サンパウロ市から上昇を始め、九九年にはそれまでのピークの九・六%となった。○一年と○二年には反発して九・四%、九・二%と推移したにもかからわらず、昨年度は九・七%と過去十年間で最高を示した。これにより同院は、ルーラ大統領が公約した二○○六年までの一千万人の就業増加の達成はおぼつかないとみている。
いっぽうで国民平均所得は七年間連続の下げを見せて、昨年は六百九十二レアルとなり、前年の七百四十七レアルに比し七・四%の減少となった。これにより一般消費は、九六年の平均所得八百五十二レアルの時点と比較して一八・八%減少した。最低給料の所得者は昨年に四%増の二千二百万人となり、全体の二七・八%を占めた。地域別ではピアウイ州が人口の半数でトップ、最低はサンタ・カタリーナ州の一二・六%だった。
さらに統計によると、全国で衛生施設が完備している都市は四八%に満たない。下水処理は六九%、電力は九七%、ゴミ処理は八五六%、上水道設備は八二・五%となっている。なかでも一千百六十万人はトイスなしの生活をしている。家庭に冷蔵庫がないのが二千二百九十万人、コンロなしが三百九十万人のほか、八千百七十万人が殺菌された飲料水と縁のない生活をしている。
文盲撲滅は九○年代から政府の課題で、○一年は一一・四%、○二年は一○・九%だったが、○三年は一○・六%の一千五百二十万人を数え、目立った動きを見せていない。同院では、ルーラ政権はこの時期経済問題に集中し、国民の生活水準上昇や貧困の撲滅(とくに北東部や農村)に手が回っていないと評価している。