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壁に隣人女性埋め込む=7年間何食わぬ顔で生活=サンパウロ市

10月1日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】「事実は小説よりも奇なり」を地で行くような殺人事件が明るみに出た。犯人は女性を殺害し自宅の壁に埋め込んで、七年間何食わぬ顔をして住んでいた。アメリカの推理小説の大家エドガー・アラン・ポー(一八四九年死去)が「黒猫」の小説で、男が妻を殺害して壁に埋めるというストーリーと同一である。ただ違うのは殺害された女性は妻ではなく隣人だった。犯人は小説を読んだわけではなく、まさに偶然の一致となった。 サントス容疑者は七年前妻と離婚し、サンパウロ市東部エルメリノ・マタラーゾ区に一人住いをしていた。離婚の原因となった酒と麻薬に溺れる毎日だった。八月になり別れた妻が再婚、家の所有権の主張を認められ、サントス容疑者は警察の立ち合いのもとに家を追い出された。その妻が家を改築するため壁を壊した所、死体が発掘され、事件が明るみとなった。
 遺体発掘で近所の住民が集まったが、隣人の女性が下着と入歯を見て、自分の姉だと証言した。それによると姉は七年前、タバコを買いに行くと出たまま行方が判らなくなっていたという。警察で検視した結果、姉の遺体と断定し、サントス容疑者を逮捕した。同容疑者は犯行を否定しているが、警察ではどのように被害者を拉致して殺害したのかミステリー小説の全貌を解明していく。