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中銀報告=インフレ上昇を位置付ける=経済成長に付随=金利引き上げは不可避=原油高騰を懸念

10月2日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十月一日】中央銀行は三十日、〇五年はインフレ率、基本金利、経済成長率ともに上昇予測をする報告書を公表した。〇五年度目標インフレ率は当初の四・五%を五・六%へ、経済成長率は三・五%を四・四%へ、基本金利も経済の活性化で当然引き上げはあり得るとした。一方、〇四年度の消費者物価指数(IPCA)は七・二%に設定されたが、上限の八%に達する見込みとしている。
 中銀報告書は、基本金利の引き上げは不可避とする警告だと、関係者の間で受け止めている。特に中銀が〇四年度経済成長率を四・四%へ上方修正したことで、企業は今年の営業益に対する疑問を払拭した。
 中銀の見解では、インフレ圧力を考慮に入れて経済の回復は、確実にIPCAを年八%近くへ押し上げるとみている。それでも〇三年の九・三%に比べれば、努力の効果はあった。
 〇四年も余すところ少ないが、中銀は〇五年のインフレ率に影響をもたらす金利問題に神経を尖らせている。今年第4・四半期のIPCAは、インフレ率に応じて調整を行う料金のために〇五年に間接的インパクトを及ぼすとした。
 七月卸売り市場のインフレ率は、数カ月にわたり消費市場へインフレ圧力を及ぼし価格調整があるとみる。特に電力料金や電話料金、バスなどの交通費の影響は、五、六、七月とインフレ率を押し上げていた。
 工業製品の四二%に上るコスト上昇は、消費市場全般へ響くと懸念される。工業製品は、IPCAの三六%を支配している。経済の回復は生産調整のために一時小康状態に入るが、インフレ率は衰えることはないと中銀はみている。
 中銀報告書に対する金融市場の反応は、狼狽したようだ。インフレを引き起こしたとする消費者の需要インパクトに、金融市場は納得しないという。消費者の購買意欲を、中銀は過大評価したというのだ。消費市場はインフレを懸念するような状態にないと、金融関係者は見解を示した。
 消費が過熱状態となった場合、工業の生産能力を中銀は懸念する。勤労者所得も回復しているが、工業生産は稼働能力を限界までフル活動している。それでも新規設備投資への動きは、余り見られない。
 メイレーレス中銀総裁は中銀報告を、プライマリ黒字の引き上げと〇・二五%の基本金利引き上げとともに、地方選へ向けた一連の対策と述べた。対策は全て道を誤らないためだが、しばしば茨の道であることも覚悟するよう示唆した。 
 もう一つの懸念は、原油の暴騰だ。国際原油価格は乱高下し、中期的傾向予測は全くできない。ガソリンは〇四年、九・五%の調整を行った。この調整は、バレル当たり三十五ドルの計算であった。
 現在、ガソリン・スタンドの消費者価格と国際原油価格の差は、ガソリンと原油の価格差でショック・アブソーバー調整をしている。しかし、このシステムが機能しなくなり、中銀の手が届かないところで、調整されるのを心配している。