10月2日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】地方統一選挙の市長および市議選挙の投票を明日三日に控えて三十日、サンパウロ市長候補らによる最終テレビ公開討論会が行われたTVグローボ局が行ったものでマルタ(PT)、セーラ(PSDB)、マルフ(PP)、パウリニョ(PDT)、エルンジナ(PSB)、モウラ(PTC)の六候補が出席した。これまでに行われたテレビ討論会やラジオ・テレビの選挙宣伝番組で各候補とともに政見を出し尽した感じで今回はトーンが下った様子だった。これにより事前アンケートで支持率のトップ争いを演じ、決戦投票になると見られてるマルタ候補とセーラ候補の個人攻撃の応酬に終止した。討論は順番に相手を指名して質問し答えた後に、指名した相手に質問をやり返す方式が取られた。これに対し両候補は冒頭からお互いを指名し、マルタ候補は相手を「無知」と決めつけセーラ候補は「傲慢」とやり返した。その中で注目を浴びたのがマルフ候補で、これまで追求してきたマルタ市政には一切触れず、かつPT党をも非難しなかった。傍聴席では決戦投票をあきらめたマルフ候補がマルタ候補の支持に回ったことが鮮明になったと囁きの声が聞かれた。エルンジナ候補は市政の失点、とくに街灯もない一千五百世帯から街灯税を徴収しているのは違法だとのこれ迄の主張を繰り返した。パウリニョ候補は選挙の地盤である労働者のよう護を前面に打ち出した。
終盤に入り、セーラ候補がマルタ市政は衛生保健で二億九百万レアルおよび教育で八千八百万レアルの予算をカットしたとの批判に対し、マルタ候補は政府としては必要に応じカットするもので「大臣経験者はその位のことは判る筈だ」と感情的になった。さらに疲労の色が見えたマルタ候補は、「サンパウロ市の財政を悪化させたのはPSDB党の市長だ」と発言、セーラ候補に「我が党からは未だ市長が出ていない」とやり込められる一幕も。
傍聴席ではこれまでに見られたヤジもなく敵対党同士が穏やかに談笑していた。テレビ局の外では、雨の中で寒さに震えながら百人程度の運動員が旗を振っていた。