10月2日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】製薬会社メルク・シャープは三十日、同社製のVIOXXを全世界で販売停止にすると発表した。同製品を十八ヵ月以上服用し続けた場合、脳出血や心臓麻痺などの発作の原因となり死に至らしめる疑いがあることが判明した。同メーカーは自主的に製造販売を停止し保険省に届け出た。
VIOXXは痛み止めの抗生物質として一九九九年に市場に上場されて以来、爆発的に売り上げを伸した。ブラジルでは月平均五十万個の売れ行きで、昨年は三千万ドルに達した。薬局にもたらす利益では第三位にランクされている。全世界では昨年二十五億ドルの売上げで、単品では十八位となった。
同社によると、癌などの効用を探るために実験的に四十才から九十才までの二千六百人に投与を続けたところ、十八ヵ月過ぎた時点で心臓発作の症状が現われ、死亡者も出たことから急拠、製造販売の停止を決定したという。
これにともない、常用者は医師と相談することをすすめている。
さらに同社では、これを徹底させるため薬局にパンフレットを配布するとともに全国紙に通告を出す。エメールやサイトでも情報を提供する。問い合わせ電話(○八○○・一二・二二三二)でも受け付ける。