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選挙参謀=肌に合う=セーラ候補支える小林セルジオ氏=手腕光る舞台裏の実力者

10月2日(土)

 三日に迫った統一選挙。注目のサンパウロ市長選に出馬しているジョゼ・セーラ候補の選挙参謀として、小林セルジオ氏(48)が活躍している。元厚生大臣のセーラ候補を支える右腕的存在だ。八八年には、PSDBの設立に尽力。実兄の小林パウロ連邦議員と並んで、その実力は党内でも高い評価がある。選挙戦の裏事情やこれまでのキャリアなど、小林氏が語った。

 現職のマルタ・スプリシー候補(PT)との熾烈な争いが続いている。セーラ陣営は投票日を前に、早くも二次投票を想定して作戦を練る。
 「走りはじめた汽車のように始めの出足は遅かったが、勢いがついてきた今はこのままブレーキをかけず二次投票まで突っ走る」とセルジオ氏。「重要なことはセーラ候補の選挙公約をさらに詳しく市民に知ってもらうことだ」。
 本番が迫り、会議や選挙運動にかかる経費承認の電話対応などに追われている。選挙費用の管理という重要な仕事を司る。
 その哲学は節約の精神だ。「党から千五百万レアルまでの出費を許可されてはいるが、寄付やボランティアにも頼っているのが現状。リミットまで使う必要はない。他の大政党と違って、わたしたちは(前サンパウロ州知事で党設立者の一人)マリオ・コーヴァス流に出費を最大限抑える選挙運動を展開している」と強調する。
 フォーリャ・デ・サンパウロ紙やヴィザン誌のフリー記者を経て七四年、実兄が州議員に出馬した際、選挙運動を手伝ったのが始まりだ。その手腕を見込まれ以来、コーヴァスを始めとする有力政治家から参謀役の要請が相次いだ。八〇年代には、フランコ・モントーロのサンパウロ州知事選キャンペーンで活躍。またサンパウロ市長時代のコーヴァスの顧問としても働いた。これらの実績から党からサンパウロ市議候補にと要請された過去もあるが、きっぱり断った。「政治家になりたいとは少しも思わない。ただ、政治の舞台にいるのが好きだ」。これまでセーラ候補を含め十八人の候補を裏で支えてきた。「この仕事が肌に合うのかとても気に入っている」。
 選挙戦の「仕事人」として名をあげ、サンパウロ州政府のインプレンサ・オフィシャル会長に八年間在職。その後出版社を設立した。広報コンサルタント会社の仕事もある。しかし、いまは選挙戦に全力投球。野獣になったつもりで参謀の任務を全うしたいとの姿勢を崩さない。
 「選挙参謀の仕事は忍耐強さがものをいう。キャンペーンのスタイルやリズムにかかわらず、発生する問題はいつも同じ」とは、共著「ヴェンセ・ア・スア(戦いに勝て)―選挙戦を勝利に導く最強のテクニック」(2002、アトリエ出版)の言葉だ。