10月6日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】〇四年度地方選挙で、PTは前回より三七%多い最高得票数一千六百三十万票を獲得したことが四日、判明した。前回より一六%多い一千五百七十万票を獲得したPSDBよりも、PTは大きく前進したことになる。さらにPTは全国で六州都の市長選を一次で決め、九州都は決選へ持ち込んだ。一方、サンパウロ州では主だった都市でPSDBが躍進し、アウキミンサンパウロ州知事は〇六年選挙へ向け力強い感触を得た。
PTの総得票数が、前回より三七%躍進した。しかし、全体では野党のPSDBとほぼ拮抗し、絶対多数には程遠い。PTが当選を決めた市は四百、全国で六番目。一番はPMDBの千四十七市、続いてPSDBが八百六十一市、PFLが七百八十六市、PPが五百四十八市、PTBが四百二十市。PTは全国的には票を伸ばしたが、大都市に集中したことが目立った。
マルタ陣営は四日、大統領府要人を始め連立与党幹部、党員四千人を招集し決選に向け連立工作を始めた。会合に出席したジルセウ官房長官は、前政権時代の汚点やセーラ候補の副市長候補カサブ氏を槍玉に挙げる戦略を説明した。
さらに会合には、フレウリ元サンパウロ州知事(PTB)やヘルマン下議(PPS)、ロッシ元オザスコ市長(PHS)など一騎当千の兵が駆けつけた。サンパウロ市長選はブラジルの将来がかかる正念場であるため、政府が後援する全国規模の支援と支持の特売場となった。
サルネイ上院議長がPT支援工作に奔走するのを、テメルPMDB党首はけん制した。エルンジーナ候補を支援したクエルシア氏は態度を保留した。PMDBは、PTとPSDBの間で揺れているようだ。
セーラ陣営はアロイジオ・N・フェレイラ下議が四日、PPやPSB、PMDB、PDTへ根回しを行った。
PSDBは全国規模の支援交換はしない方針。支援取引は、州内の市郡単位で行う。また個人取引を避けて、党間の取引を行う。その方が合理的で広範囲に効果があるとみている。
サンパウロ州地方選の成果は、PSDBが優勢であった。百九十一都市の市長を一次で決め、九都市で決選へ持ち込み、総得票数六百八十万票であった。PTは五十三都市が一次、六都市が決選、総得票数五百四十万票。PMDBは八十八都市が一次、二都市が決選、総得票数百四十万票が主な結果。
今回地方選はPSDBのセーラ市長候補よりも、アウキミン知事の殊勲といえそうだ。サンパウロ州の二百主要都市で、PSDB市長の当選可能性が出てきた。〇六年の大統領選を照準に入れた戦略で、サンパウロ州の基盤は足場が完成したことになる。ネーヴェス知事(PSDB)のミナス州は、PTよりも百万票を減らした。
当のセーラ候補は、決選に向けて浮動票獲得で戦略の練り直しを考案中だ。一次で敗れた候補らの個人訪問や多党派工作は党に任せ、公開討論会の開催を強要する考えだ。テレビで放映される討論会が、最も効果的とセーラ候補はみている。PSDBは、企画力と計画性に優れるという。