10月6日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】仏紙ル・モンドが、「マルタ夫人と二人の夫」と題してサンパウロ市長選を論評した。ジョルジェ・アマード原作の「ドナ・フロール・エ・ドイス・マリード」をもじったものだが、ドナ・マルタの立場はドナ・フロールほどロマンチックではない。
ライバルのセーラ候補との支持票が拮抗していることで、恥も外聞もない。追い出した前夫スプリシ上議を呼び戻し、現夫フランス系アルゼンチン人ファブレ氏とを両手に携えた様は、ドナ・フロールだ。
国民的人気の高い前夫の評判に、便乗しようという考えだ。それに引き換え現夫は、陰が薄い。ファブレ氏も縁の下の力持ちとしてPTに貢献しているが、有権者には見えない。二人の男を手玉に取ったマルタ市長の手腕は買うべきか。
マルタ市長は女といえども、サンパウロ市の路線バス業界に根を張っていたマフィアをねじ伏せ、統一パス制度を構築した手腕はバカにできない。セーラ候補も国連保健機関(WHO)で、エイズ薬の知的所有権侵害を合法化させた腕前は、称賛に価する。