10月7日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】オートバイの後部座席で客を運ぶモトタクシーを禁止するというドゥトラ都市担当相の発言が波紋を呼んでいる。同相は先月二十八日、モトタクシーの禁止法案を国会に上程するとの発言をしたが、業界の猛反発を受けて翌日、白紙撤回することを明らかにした。同相によると、国内に現存するオートバイ三万台の三分の一が年間を通して事故を起こしているという、モトタクシーは人身事故につながるため禁止を提唱した。
発言直後に各地で抗議集会が相次ぎ、反響の大きさに驚き発言を取り消した。さらに、これによりモトタクシーの実態が明らかとなり、同相は把握していなかったとして黒星を認めた。この問題は選挙直前に生じたため、与党PT党のイメージ・ダウンにつながったと指摘する向きもあり同相の責任問題に発展しかねない。
モトタクシーは全国向けに法令化されておらず、各市条令に基づいてる、モトタクシー協会によると、五日都市で四十万人が就業しているが、このうち不法営業が四○%を占めている。これを機に営業を一定化する法案の申請をしたいとしている。
アラサトゥバ市は人口十七万人に対しオートバイ保有台数が約二万七千台で、六人に一台の割合となっている。世界のトップランキングのイタリアやシンガポールに匹敵する。モトタクシーは約二千台と全国一。禁止発言でモトタクシーらは一斉に市内を走り回り抗議した。その影響でPT党からの立候補者らは敗北を喫したとされている。