サンパウロ市長決選=他党抱き込みに大わらわ=敗北候補が鍵握る=セーラ陣営は中立を歓迎=PTに逆風現象
10月9日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】サンパウロ市長選で敗れたルイザ・エルンジーナ下議(PSB)は七日、決選投票では中立の立場を採り、マルタ候補にもセーラ候補にも肩入れをしないことを表明した。サンパウロ市長選は、終盤の追い込みで番狂わせを生じた。ジェノイノPT党首は、エルンジーナ市長時代に党を挙げて支援したことで怒りを露にした。しかし、PSB党執行部はマルタ候補支援の意向。連立関係にあるPMDBも、決選に向けて中立宣言を行った。
エルンジーナ下議の中立宣言で、サンパウロ市長選は思わぬ展開を生じた。同下議は自信を満面に表し、往年の同志ジェノイノ党首に対し怨恨の思いで政治は行えないと述べた。かつてPT時代は党からないがしろにされ、離党を決意するに至った苦汁の経緯を語った。
「欠点はあるが、無能扱いは不当だ。この年まで苦難と闘い臥薪嘗胆の思いを経た今、PT時代の蔑みを引きずった体験に終止符を打つ。PTには、何の借りもない。今度蔑まされるのは、ジェノイノ党首の番だ」と同下議は応酬した。PTは同下議のマルタ支援が織り込み済みと思っていたので、寝耳に水だった。
PTにとってもサンパウロ市長選終盤で、連立党のPMDBと往年の同志エルンジーナ下議の中立宣言は痛かった。マルタ陣営は、足並みの乱れを選挙民に暴露した。PT党内は、冷血な権力闘争の世界らしい。
同下議所属のPSBは、独自にPTとマナウスやナタール、マセイオ市長選で相互支援協定を結んだ。しかし、同下議はテメルPMDB党首と接触していた。ルーラ大統領も、同下議とマルタ市長の修復に奔走したが失敗した。同下議は、連立関係にあるPMDBをPTから引き離した。
PSBのミゲル・アラエス党首は、恨みは他にもあると同下議を弁護した。マルタ市長のルイ・ファウコン副市長候補だ。同副市長はエルンジーナ市政の障害となったライバルであり、党内でもことごとく逆らい犬猿の仲にあった。同氏には積もる恨みがある。
テメル党首は、PTは市長選挙や議会工作の票集めにPMDBを利用するだけで、政治参加のチャンスは与えないと苦言を呈した。テメル・エルンジーナ会談は、ルーラ政権の経済政策に対して共同前線を張ることで合意した。共同前線には、クエルシア元知事も援護射撃を行う。
大統領府はテメル党首の入閣をエサにして、カリェイロ上議による上下両院議長の再選支援を要請し、連立関係の保持を画策していた。この工作は何ら進展せず、失敗したらしい。
セーラ陣営はエルンジーナ下議とPMDBの中立宣言で、祈りが聞かれたような思いでいる。PSDBの見方では、エルンジーナやテメル、クエルシアの発言でPTとの溝の深まりを想像できるという。
次はマルフ氏の態度が、注目されている。正式にマルタ支持宣言を表明すれば、PP票が大量にPSDBへ流れるとみている。PP党執行部も、マルフ氏の正式表明を急いでいる。