日本政府の「海外日系人訪日団受入れ事業」が今年限りで終了した。南米在住の日本人側からいえば、三十七回招いてもらった。この事業が留守家族会連合会を窓口として行われていた当時は「初期移民里帰り」といえば、通りがよかった。
若い人たちを対象とするような研修でも、何かの功績に対する褒美でもなかった。生活に追われて、日本に里帰りどころではなかった人たちが、日本政府の費用で帰してもらえた。
政府は、移民の高齢化がすすみ、対象者が少なくなってきたことを踏まえ「事業の役割をほぼ終えた」と判断して、予算づけをやめたという。
現実に対象者はまだいた。日本に滞在中の引き受け先がない、というだけで、里帰り〃合格〃にならなかった人たちは多かったはずだ。しかるべき「宿」を用意して招いてほしかった。(神)
04/10/09