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コラム 樹海

 今、日本は市町村の合併が話題になり近い将来には約三〇〇〇とされる地方自治体は二〇〇〇近くになる。数百年も続く村の名が消えてなくなるところもあれば、新しく颯爽たる町名が誕生したりもする。昭和の二〇年代後半にも大きな町村合併運動があり、自分の住所が変わった人は数え切れないほどに多い。もう道州制が本格的に論じられ、青森と秋田、岩手三県などは「合併」を視野にした論議も進む▼恐らく―こうした動きはますます激しくなるだろうしもう町の境がどうの県境がの議論は活発さを失って行くに違いない。平成の合併でも五つや六つもの町村が一緒になり、人々の想像を越える規模の大きなものまでが発足しそうなのは頼もしい。唯一つ。長野県の山口村が県境を越えて岐阜県の中津川市と越県合併しようとしたのに田中康夫知事が反対を表明しているのは解り難い▼一方の岐阜県は梶原拓知事が賛成であり、合併推進の法案を県議会で審議している。田中知事は文学者であり島崎藤村の生地である山口村が旧中山道の馬籠宿があったところなので拘りを持つのかもしれないが、村民二〇〇〇人は中津川と共に暮らしたいと願っている。ならば、県を越えて行こうが、それはそれでいいではありませんか▼中津川市はレジストロと姉妹提携を結んでいるし、山口村は旧日本病院にある「笠戸丸移民碑」を「藤村碑」と呼ぶ無理派があったりとどちらもコロニアと縁が深い。ここは何とかうまく話を纏めて結婚の式までもって参りたい。(遯)

04/10/12