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電力供給の大幅増を示唆=海外投資の呼び水=投資格付けの過小評価に対応=来年にも国際入札

10月14日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】財務省国庫局のレヴィ長官は十二日、投資格付け会社のA・T・カーネェイが直接投資の有望国としてブラジルを九位から十七位に引き下げたことで、〇五年から〇九年までのエネルギー大供給を実施し、汚名挽回を図る計画であることを明らかにした。政府は早期に投資綱領を作成し、三月までに動力の大型入札を行い外資の流出を防ぐ考えだ。同格付けは当国が受けた評価で最も低いレベルで外資の動向に支障を起こしかねないと、関係者が懸念する。
 海外投資の指針となるロンドンのA・T・カーネェイ社格付けで、ブラジルが従来の九位から十七位にランクされたのは驚異であった。投資有望度を表すIEDsで、ブラジルは〇二年から〇三年に海外投資が三九%減、百六十六億ドルから百一億ドルへ減少し九五年の水準へ戻った。
 景気が回復し経済が活性化したのに関わらずブラジルに対する信用度は、投資綱領が不透明だと疑念が残る。投資有望国の世界ランクでは、中国をトップに米国、インド、英国、ドイツと続く。ブラジルよりも有利な条件を備えている国々が、ひしめいている。
 五大途上国の中で、ブラジルは政界の足並みが乱れ、船頭多くして船山に上る最も投資リスクの高い国となっている。中国とインドは米国と競うほど、外資導入の環境が整備されている。中印両国は九八年以来、三年間の短期投資でも、ブラジルに優り途上国の投資有望国で模範例となった。
 中国は家内制手工業の雄であり、中国自身が大市場を有する。手間仕事と組み立てでは、追随を許さない。インドはサービス産業で外国企業の下請けとして実績を積み、IT産業でも周到なインフラを構築している。ITと企業プロセスでインドのノウハウは抜群。
 そのような世界の経済環境の中で、ブラジルはエネルギーを売り込もうという。エネルギーは国際資本を呼び込む凝結剤になり、産業各部門に広く外資が浸透すると国庫局はみる。同長官は〇五年三月に国際入札を行い、外国資本のうねりがブラジルに押し寄せ経済全般を潤すとみている。
 そのため海外投資家の疑念を払拭するように国内の環境整備を行う。政府の投資綱領が整備され、現実的かつ具体的な内容であれば大資本が怒涛のごとく、ブラジルの全産業へ遍くと同長官はみる。投資家の懸念は〇一年の電力危機が、どう処理されたのかだ。
 国際金融グループのブラジルに対する期待感は、グローバル経済の中で変化したと同長官は言う。中国やインドにないものが、ブラジルにある。ブラジルに対する未来への希望と信頼感が、投資家に溢れている。国際社会の中で、ブラジルの役割があるらしい。
 入札実施前に早期解決を急いでいるのが、インフラ投資の最低保証制度と投資契約の見直し基準を設定するPPS(官民共同出資法)からなる投資綱領だ。最低保証制度の内容次第では格好の汚職の巣を作り、不正行為の温床化が指摘される。反面下手をすると、高価なエネルギーとなり投資が循環しなくなる。