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ブラジル軍部の役割を調査=カンピーナス州立大で1年間=岐阜大助教授=澤田眞治さん

10月14日(木)

 ブラジルの政治学を専攻する岐阜大学助教授、澤田眞治さん(40、奈良県出身)が、国際交流基金の派遣フェローシップにより、カンピーナス州立大学哲学・人間科学部政治学科へ一年間研究にきている。七日来伯し、来年九月まで滞在する予定。
 澤田さんは南米地域の安全保障に興味があり、今回は「民主化後の軍部の役割」を調査する予定。なかでもSIVAM(アマゾン監視システム)などの国境地帯の安全保障について研究したいという。
 「南米の軍部の考え方は独特です。普通、軍部は他国からの侵略を防ぐのが主な役割だが、南米の場合、政治家や民間の腐敗するなか軍部こそが一番しっかりした官僚組織として、国の将来を考えていた」と分析する。
 他の大陸と違って、南米では大規模な国家間戦争がほとんど起きていない。「欧州大陸で起きた第一次大戦という、砲弾を撃ち尽す空前の大消耗戦が影響を与えた、という説があります」という。つまり隣国との身近な消耗戦を回避して、将来の戦争に備える。結果的に、国内の生産力を高めることを優先したため、戦争が起きなかったという考え方だ。
 軍部が力を伸ばした背景としては、「勉強のできる貧乏人の子どもの多くは軍の学校へ入り、軍隊内で出世した。まじめに国の将来を憂い、警察的役割、科学技術開発など、まるで一つの政府のような組織になっていた」という。
 高校時代からブラジルに興味があったという澤田さんは、すでに来伯七~八回を数え、ブラジル最北部のロライマ、コロンビア国境の町タバチンガにも調査に赴いたことがある。
 ブラジルの政治は「見ていて飽きない」という。十一日来社した澤田さんは「今回は腰を据えて、じっくりと取り組みたい」と抱負を語った。