10月15日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】世界経済力ランキングで、ブラジルは五十七位となった。昨年は五十四位。ワールド・エコノミック・フォーラム(WEF)がこの程百四カ国を対象に発表したもので、トップは二年連続でフィンランド、二位は米国そして日本は九位となった。
ランキングは各国の世界市場での競争力、国民の経済観念、技術力、司法権の確立、マクロ経済状態、果ては汚職や不正などの項目に分けて採点して総合点を割り出すもの。
エコノミストでWEFのメンバーのアウグスト・L・カルロス氏によると、ブラジルの場合、技術力で四十二位、国民の経済志向で五十位、世界市場の競争力では三十八位と好成績の採点となった。しかしマクロ経済状態では百四カ国中、八十位と大きく後退。これがランキングの順位で足を引っ張る形となった。
同氏によるとマクロ経済状態では、その国の債務が大きな要素で、ブラジルは今年に入り財政収支や国際収支が大幅黒字となったが、IMF(国際通貨基金)などの長期的債務が残っていることが採点に表れたという。従いランキングにはポテンシアルは含まれず、飽くまでも現時点での収支決算だと説明している。
一方で国内工業連盟はランキングが引き下げられたことを真摯に受け止めて、金利、税制、融資に関する政策を確立することで世界の一流仲間入りが出来るとの見方を示した。
ラテン・アメリカではチリが二十二位(前年二十八位)でトップとなった。チリは輸出振興のほか貧困対策や工業設備への投資に加え、汚職や不正が無いことが評価された。メキシコは四十八位、アルゼンチンは七十四位となった。
世界ランキングでは三位がスエーデン、四位が台湾、五位デンマーク、六位ノルウエー、七位シンガポール、八位スイスと北欧が上位を占めている。