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札付き市長を再選=逮捕歴など意に介せず

10月15日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ市十四日】アクレ州シャプリ市といってもピンと来ない人が多いが、自然環境保護運動で死後、世界的に有名になったシッコ・メンデス氏が一九八八年十二月に凶弾に倒れた街と言えば記憶に残る。その後この市はシッコ・メンデス博物館を設立し、自然保護の一大拠点として観光ポイントとなっている。今回の市長選挙で、潔癖を売り物にしているこの市で、こともあろうに逮捕歴のある元市長が再選され話題を呼んでいる。
 再選を果したのは八○年代に市長を務めた元市長で在任中に市有地を私物化したり、当時の副州知事に暴行を働いた経歴を持つ。さらに一九九九年に麻薬取り締まり法違反で逮捕されている。これについて元市長は、「麻薬は常習していたが、販売には手を染めていない」と釈明した。また、シッコ・メンデス氏を射殺した犯人の一人は、元市長の義理の弟だった。
 今回の選挙では、元市長はPMDBから出馬、それまで八年続いたPT政権を百五十三票(投票数六千八百八十七)の差で破った。支持者らは「市が忘れられた存在になってきたので、活路が必要だった」と述べている。