10月16日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】連邦警察はリオ市で十四日、国際麻薬密輸のメンバー二十一人を検挙した。連警では合計二十八人の逮捕状を取り付けた上で二十一人を検挙したが、残り七人は昨年、別件で逮捕されて獄中にある。さらに六人を立件できるとして行方を追求している。このうちの二人はイタリア人。さらにすでに獄中にある容疑者の中には、モロッコ人とナイジェリア人が含まれている。今回逮捕された一味はリオ市トン・ジョビン国際空港を舞台としていたが、サンパウロ市のクンビッカ空港にも一味が存在すると見て追求する構えを示している。
連警は二年がかりで内偵を続け、これまでに投入された捜査員は二百十人に上った。今回の検挙に当っては、サンパウロ、ミナス、エスピリト・サント、ブラジリアの連警百人が動員された。逮捕者のうちの四人は、空港内で貨物や搭乗客の荷物を積み降ろして運搬するサタ運送会社の職員四人が含まれている。この一味は検査のX線を通さずに麻薬を飛行機に積み込んでいた。麻薬は製品のままコロンビア、ボリビア、パラグアイから持ち込まれ、主にポルトガルとスペインに密輸されていた。この四人は一カ月に三回、二千キロの麻薬(末端価格キロ当たり五万五千レアル)を積み込み、一回につき五千ドルの報酬を受け取っていた。この四人は十年以上も同社に勤務していることから、連警は会社も犯罪に関与しているか調べている。
逮捕された一味はいずれもリオ市内のコパカバーナなどの高級住宅に居を構えていた。幹部格の一人は麻薬以外にも銃の密輸をしてファベラ内の組織に売っていたことが明らかになっている。