富山、広島や秋田県などでクマ騒動が続く。人の暮らす領域にまで出没するだけでも大事件なのに今年の熊は村の人々を恐ろしげもなく襲う。もう老齢に入った人も若い者もあの逞しいクマにはとても勝てない。ときにはクマを投げ飛ばしたの話もあるけれども、これは飽くまでも奇談・珍談に過ぎない。危ういものには近づかない―が鉄則というものだろう▼ところが、おかしいのはタヌキもだしイノシシもらしい。その道の専門家によると、自然に住む野生の動物が森を抜け出して市街地に現れるのは異常な現象だそうだ。今年は夏が暑すぎるなどで森や山の果物や樹木の実が少なかったのが、動物たちの行動に異変を起こしたの説が多い。つまり食べる物が不足し人里へ下りてくるようになったというのだが―▼北海道ではエゾシカの食害がひどいらしい。一時は絶滅の恐れもあったのだが、保護政策のお陰で生存できるようになったのはいいのだが、今度は余りにも増え過ぎたというのだ。推定では約三〇万頭を超えているようだが、こんなに多くなるとどうしてもエサが足りなくなる。そこで植林した山々の樹木を齧ったりの食害が広がってゆく。道庁も放っておいたわけではない。畑や田への侵入?を防止しようと総延長二六〇〇キロのフエンスを作った▼が―である。囲いのない牧草地にはエゾシカが群れなしてやっくてくるのだそうな。クマの害もながらシカの方も中々に賢く逞しい。はてさて困ったものだが、人さまはどう対処するのかの智恵比べであります。 (遯)
04/10/19