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超満員の刑務所=毎月9千人が門を潜る

10月20日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】全国の刑務所で毎月九千人が有罪判決を受けて入所し、刑期を終えて出所するのが五千五百人のため、差し引き三千五百人の収容人員が増えている。このため昨年の定員オーバーは十一万六千人に達した、前年は五千七千人だったことから一年間で倍増した。
 法務省がこの程、明らかにしたもので、これよりスシ詰めを解消するのには、五百人収容の刑務所を毎月七つ新設しなければならない。一つの新設費用が一千五百万レアルのため現段階で十二億レアルの予算が必要なため早急な解決は望めない。服役者は九二年は人口十万人当たり七十四人(○・○七%)だったのが、昨年は三百八人(○・一八%)に増加した。昨年の服役者の総数は三十万八千人で、このうち十三万人がサンパウロ州内に収容されている。この人員は中南米でメキシコ・シティの十七万七千人に次ぎ二番目となっている。
 刑務所側では、定員オーバーが所内の暴動や脱獄の原因だとして、裁判所の判決の改革が必要との態度を示している。裁判では凶悪犯罪も軽犯罪も区別なく刑務所送りとしているが、執行猶予をつけるなどの柔軟性が必要だとしている。