10月20日(水)
ブラジル経由出荷のコカインは、産地のコロンビアでキロ当たり三千五百ドル。それが米国やEUでは八万ドルで取引される。水際の厳しい日本市場は、二十五万ドル。死刑で処する中近東は、三十五万ドル。中近東では百倍の利益が見込めると、麻薬が注目されている。コンテナー輸送はほとんど不可能となったためブラジル人が多数、テロリストのルートで運んでいる。
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麻薬運び屋の報酬は、行き先によって違う。リスクはスペインが九年の刑務所。グアルーリョス空港で捕まると、最高五年。インドネシアで捕まると死刑。昨年八月逮捕されたブラジル人マルコ・A・モレイラは処刑待ち。処刑法は色々ある。銃殺が一番軽い。頭骸骨を象に踏ませるのもある。それでもパラナ出身のロドリゴ・ゴラルテが、サーフィン・ボードにコカイン六キロを隠しジャカルタ空港で捕まった。
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イタイン・ビビ区のカーパーク駐車場警備員イヴァウド・T・トラジャノさん(31)他従業員四人は十七日夜、突然武装した二人組に見張り塔の中へ押し込められた。同駐車場は、バー・マエヴァの顧客から預かっていた高級乗用車八台を奪われた。車を盗まれた被害者らは、駐車場の措置に不満を抱いている。犯行の三十分間、何もしなかったのか。最後の盗難車運搬時に連絡し、盗難事件で片付けようとする駐車場の対処が理解できないとした。
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ブラジル政府が国連安保常任理事国入りを引き換えで切り札にしているという噂のある中、国際原子力機関(IAEA)の査察団三人が、十九日到着した。核融合室にも立ち入り検査を行うが、問題の遠心分離機はベニヤ板で囲って見せないようにしてある。ブラジル側関係者が査察団と会合、遠心分離機公開の条件を取引した。査察団はパイプやバルブ、コネクションに大径鋼管を使って入るのが奇異だとした。