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マルフ元市長を起訴=50億レの公金横領の疑い

10月21日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】連邦検察とサンパウロ州検察は十九日、マルフ元市長に対し公金横領およびそれに関連する犯罪の疑いでサンパウロ市内裁判所に起訴した。これに伴い元市長の妻を始めとする家族五人を共犯で、さらに三十一人の関係者を同容疑で起訴する方針を固めた。
 連邦検察によると、元市長の在任期間(一九九三―一九九六)に約五十億レアル(四億四千万ドル)の公金を横領したとしてこの全額の返済に加え、三倍相当の罰金を科したもの。証拠物件として五十三万個の書類が提出されたが、このうち十三万ページに及ぶ銀行勘定明細などが含まれている。またスイスのジェネーブ検察から送付されてきたスイス銀行の口座明細は三千ページに及んでいる。検察によると、元市長主導で施工されたアイルトン・セーナ・トンネルとアグア・エスプライアダ通り(現ジョルナリスタ・ロベルト・マリニョ通り)の工事費用を水増し請求させて、その分の差額をワイロとして受け取ったという。支払いは子会社を通じ為替業者に支払い、アメリカの銀行を経由してスイス銀行の口座に振り込んでいた。証拠書類の中には元市長はじめ家族名儀の振り込み証書もあるという。
 いっぽうで、サンパウロ州検察は元市長を公金横領のほか、職権乱用、組織犯罪の首謀、収賄の罪で、また家族は共犯で起訴した。裁判で有罪となると、元市長は十二年の刑となるが、七十才以上の高齢者は罪が半減されるので六年の実刑となる。その他関係者も同罪で追求する。
 これに対しマルフ元市長は、家族全体を合わせ潔白を証明できるとの声明を発表した。さらにサンパウロ市長決選投票に向けてPT党のマルタ現市長の支持を表明したことに対する対立候補PSDB党州政権のいやがらせだとの態度を示した。