10月21日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日、既報関連】サンパウロ市オリンピア区で暴走車を歩道に乗り上げ、死亡者一人を含む十八人を負傷させて逮捕された轢き逃げ犯人を、担当裁判官が翌日、釈放していたことが明らかとなり各方面で物議をかもしている。この犯人は強盗の余罪があったことが判明し、警察が再逮捕に出向いたところ、当然のことながら姿をくらましていた。担当裁判官は、住居および職業も特定しており、これまで犯罪歴がなかったことや、取り調べにも素直に応じて非を悔いていたことから在宅でも裁判当日に出廷するものと判断して釈放したと弁明している。これに対し検察側は、犯人は歩道に乗り上げ数人を負傷させた後、救助せずに車を猛スピードでバックさせて逃亡した。この際に死亡した女性の身体に乗り上げたのが死因となったと指摘し、故意の致死事件として、殺人罪も適用できる凶悪犯罪だとし、釈放処分は重大なミスだと非難している。司法関係者では裁判官の同情論もあるものの、大勢は判断ミスに傾いている。
事故は十六日午前○時十五分、オリンピア区のディスコ前で入場待ちの若者らの列に暴走車が突っ込んだもの。犯人はそのまま逃亡したが翌日自宅で逮捕された。
ところがこの報道を見た市内在住の夫婦が、轢き逃げ犯人ら四人組に自家用車を強奪されたと届け出た。警察で検証した結果、犯人と断定して再度逮捕状を取り付けて特定の住所に出向いたが不在で、勤務先も事件以来姿を見せていないという。家族、恋人、友人ら関係者も行方に心当たりがないとのこと。