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女性パワー全開=農協の未来に力=第1回日系農協婦人大会=ネットワーク全国に広げよう

10月21日(木)

 ここでできたネットワークが全国に広がるように頑張りましょう――。十九、二十の二日間にわたって行なわれた日系農協婦人大会(ブラジル農業拓殖協同組合中央会主催)は、コチア、南伯が解散後初めての全伯規模での婦人大会となった。マット・グロッソ・ド・スル、リオ、パラナ、サンパウロ四州の各日系農協婦人部から代表ら三十六人が参加。婦人部の役割を改めて確認するとともに、親交を深めた。
 「コチア、スールブラジルなどの中央会が解散してから婦人部の中央組織もバラバラになってしまいましたが、各地に残って活動している農協婦人部を再び集めて連絡を持ち合うことが大切だと考え、農拓協では大会を開催することにしました」と、農拓共の近藤四郎理事は大会開催の趣意を説明した。
 開会式にはサンパウロ総領事館の山口克己領事、JICAサンパウロ事務所の石橋隆介次長、JATAKサンパウロ事務所の馬場光男所長らも出席。「産みの苦しみを知る女性を尊敬しています。女性ならではの視点から、よりよい成果を期待しています」と、石橋次長はエールを送った。
 初日は婦人部活動の成功経験を共有する目的から、独自の農産加工品販売で成果を上げている農協婦人部連合会(上芝原初美会長)の活動が紹介された。
 コチア解散後、そのショックから多くの組合員が抜け切れずにいる中、一九九五年に発足。現在十八の支部が加入している。二〇〇〇年から三年間、JATAKの地域農業活性化支援事業による援助を受け、まんじゅう、味噌など食料加工品などを開発。月四回の定期市で販売しているほか、タオルなど手芸品は日本へも輸出している。
「自分の手に現金が入ることで、女性の自立に繋がった」と馬場所長は評価する。
 四つの班に分かれて行われた分科会では、女性から見た参加組合の現状と展望や、婦人部の活動などが話合い。「ぶどう祭り、柿祭りなどを開くなどして特産物をアピールし、地域の活性化を推進して行かないといけない」などの意見が聞かれた。
 夕食会は「オーソレミーヨ」「ふるさと」「炭鉱節」といった唄が飛び出し、踊って大盛り上がり。「みんなの心が近くなった」と参加者もこぞって笑顔を見せた。
 二日目は、日系四世代の女性を描いた映画「ガイジン2」の発表を近く控える山崎チヅカ監督が講演。日本人的な価値観と、ブラジル人的価値観の中で揺れる二世、三世に対するしつけが中心に話が進められ、「ブラジルに住んでいる日系人の方はせわしそうにしているが、ブラジルはおおらかで本当に幸せに暮らせる国。映画をみて幸せになって欲しい」と山崎監督は語った。
 プログラム最後の評価会では、「あちこちの話を聞くことが出来てよかった」「友達になれてとてもうれしかった」と、参加者は生き生きとした様子。今後も定期的に同大会を開催することを希望した。
 また、主催者の各農協婦人部を結ぶネットワークを作ってはどうかとの問いかけには「是非作りたい」との声が多く、「インターネットを使ってはどうか」といった意見もあった。
 閉会式では、参加者全員が輪になって「今日の日はさようなら」を歌い、別れをしのんだ。
 農拓協の原林平会長が「来年、再来年も続けて行きたい」と大会継続の意向を示すと、大きな歓声が上がった。