10月22日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】連邦警察は二十日、インターネットを悪用し他人名儀の口座から預金を詐欺をしていた組織団五十三人を逮捕した。さらに同じ一味の二十九人を指名手配し行方を追求している。これまでに判明しただけで被害は八千万レアルに上っており、この種の犯罪規模では史上最大となった。
組織は全国に股がっており連警は百六十人の捜査員を動員し、パラー州で二十九人、セアラー州で十二人、トカンチンス州で七人、マラニョンしで五人を逮捕した。これ以外にも他州で一味が介在しているとみて捜査の手を広げている。連警では昨年十一月にも同じ犯罪で五十四人を逮捕したが、今回の逮捕者の中に、前回逮捕された十八人が含まれている。彼らは何故か釈放されていた。
一味はインターネットに侵入するビールスを開発し、プログラムを盗み取るハッカー技術を利用して他人の暗証番号を読み取っていた。一味は銀行や金融機関の名をかたり、被害者にEメールを送信し、交信の中で口座番号を盗み取り預金を詐欺をしていた。一味の中では、プログラム作成、カード偽造、詐欺をした預金を振り込む口座を開設したり借りたりする者など役割分担がされていた。首謀者は全国の一味にプログラムを一万レアルから三万レアルで配布していた。首謀者グループは二十才から二十五才の中流階級の子弟で、中にはパラー州在住のサチロ・キクチの日系の名も挙っている。
犯罪の舞台となったのは伯銀、カイシャ、ブラデスコ、ウニバンコ、イタウー、HSBCの一流銀行で被害の実態は調査中。銀行筋によると預金詐欺は今年一月から七月までに一億七千五百万レアルに上り、そのうち七○%は解決を見たが、残りは銀行が補償したとのこと。今年の銀行強盗の被害五千万レアルより多いとしている。