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日系商議所が代表者会議=「会員減少に危機感」共通=6州都から集い現状報告

10月22日(金)

 毎年恒例の在伯日系商工会議所代表者会議が十九日午後サンパウロ市のブラジル日本商工会議所(田中信会頭)であり、全伯六都市の商議所から代表が参加。各所の現状と将来の展望が報告され、活発な意見交換が行なわれた。「各地の状況や問題点を知るうえでも、年一回集まることは有意義」。そう語る田中会頭と、平田藤義事務局長に「実り多き会議」の模様を聞いた
 会議は今年で十六回目。サンパウロのほか、マナウス、ベレン、リオ、パラナ、リオ・グランデ・ド・スル各州都にある商議所の会頭ら代表が出席した。
 企業・個人合わせて二百九十八と国内最多の会員を抱えるブラジル商工会議所がまず現状報告。
 「開かれた透明かつ魅力ある会議所」をモットーに理事・監事選挙規則を大幅変更し法人・個人会員の平等化を図ったことや、日伯FTA締結を促進する研究会や、京都議定書発効後のビジネス可能性を探る部会を発足させた近況を紹介。
 将来の展望については、両国政府要人の相互訪問活性化による政治・経済の緊密化の進展に期待▼WTO優先主義を貫いて来た日本の経済連携協定(EPA)への方向転換はブラジルにとって好機となる▼移民百年祭行事や各種プロジェクトに応分な協力する――などと表明したという。
 続いて他会議所の発表を聞いた田中会頭は「どの会議所でも会員の減少に危機意識をもっていた」と総括。個別には会員の大半が地場企業であるポルト・アレグレ会議所では「ポルトガル語だけで会議を行っている」。クリチーバの会議所は同市から離れた北パラナにも会員企業が多いため、「会合も大変そうだが、元連邦下議の上野アントニオ会頭の努力で活発的に活動しているようだ」と振り返る。
 平田事務局長は、進出企業会員が二十九社を数えるアマゾニア会議所に関して、「税制恩典自由貿易港ゾーナ・フランカに対する税制改革で揺れている。連邦政府に対する州政府の弱腰を会員らは心配している」。パラー会議所については「永大、ニチレイと進出企業は二社しかなく、地場企業と合わせ会員は二十社ぐらい」とし、「一世から二世、三世への過渡期で後継者育成が課題と聞いた。今後は会員拡大のため農業従事者を取り込むことも考えているようです」と話していた。