10月28日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】地理統計院(IBGE)は九八年から二〇〇〇年の資料を基礎に二十六日、全国五千五百七都市の三五%に当たる二千都市が、連邦政府や州政府へ経済的に九〇%依存していることを明らかにした。北東地域の十六都市に至っては、全く歳入がなく交付金に完全依存していることが判明した。交付金の大部分は、流通税と初等教育奨学基金、教職員育成基金を振り替えていた。
二〇〇〇年のIBGE調査以来、これら地方自治体は自助努力の様子がなく、経済的な依存体質は現在まで全く変わっていない。交付金への依存度が高い都市は、地元の市税増収への努力が極めて低い。
二〇〇〇年時点で人口五千人以下で全都市の四七・五%に相当する都市は、九〇%交付金依存であった。九八年に同種都市は三三・一%であったから、その後増加したことになる。
他州の都市を養っているのは、トップがサンパウロ州。続いてリオデジャネイロ州、アマゾナス州、エスピリト・サント州など。他州に依存するトップは、マラニョン州。続いてピアウイ州、トカンチンス州など。
サンパウロ州の税収は、全国の三八%を占める。そのうち三〇は、他州へ交付される。依存体質都市の特徴は貧しいばかりでなく、人材も材料も意欲もない。益々貧困化継続の悪循環だ。
政府は二〇〇〇年、地方都市の財政改革を試みたが、計画に対応したのは僅か五十六都市であった。他は金のなる木がないまま、植えることもなかった。多くの都市は、自治体の基本的機能さえもない。一握りの資産家が市の経済を欲しいままに動かし、数多の貧乏人は殖産の術がないまま放置されている。
歳入の少ない依存都市でも、近代農業を駆使する事業家は進出している。しかし、税金を徴収するシステムがないため、地元の都市を潤すことは殆どない。連邦政府や州政府が税を徴収して、最終的に交付金として還元されるだけ。
市の税収となるサービス税と家屋税は極端に偏向し、全都市の〇・五%に当たる人口五十万人以上の都市に六〇・八%が集中している。全都市の二五・六%に当たる人口五千人以下の都市に集まる同税収は、〇・七%に過ぎない。
人口の割合で税収が多いのは、中央西部がトップ。サンパウロ州を含む南西部は人口の四二・六%が居住し、同税収の六一%を徴収するが、人口の割合では中央西部に譲る。他に徴収機能の整備も、必要とされる。
マラニョン州ベキマン市で一六八四年、市民の貧困克服のためマノエル・ベックマンが一揆を起こした経緯がある。同州では以後、ベックマンが時代遅れと失望の代名詞になった。同市の歳出は五百万レアル、歳入は同市の住宅五百戸から受け取る家屋税だけという。娯楽設備は、テレビとサッカーの試合だけ。
一方、自助努力の鏡のような都市もある。サンパウロ州ベルチオガ市だ。住民は働けば生活は段々豊かになると、海へ出掛け海老漁をする。収入ゼロの日もあるが、薄給で使われるよりはマシと住民はいう。同市は家屋税が市財政を潤し、市財政が自立する十都市の一つ。