10月28日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】豊食時代を反映してダイエットが流行している中で雑誌で紹介されている、ダイエット食事療法のカロリーなどの栄養価表示が実際の数値と違っていることが指摘された。これにより栄養が片寄り、ダイエット効果がないことは勿論のこと、果ては健康を害する原因となり危険だと警告している。ダイエットを志す人は医師なり栄養士なりに相談することが肝要だとしている。
この指摘はサンパウロ連邦大学栄養学科の教授によってなされたもので、雑誌で紹介された百十二種類のダイエット食事メニューの栄養価を計量した。このメニューは国内有名雑誌ニ社がニ〇〇ニ年の一年間に紹介したもの。雑誌は食べ物専門誌で、一社は十ニ万部、もう一社は三十万部の発行部数の大手。
雑誌の表示と実際の分析比較では、一〇〇%の数値誤記が見られた。このうちプロテインとハイドロカーボンの数値は七五%が誤り、カルシゥムは八五・七%、鉄分は九七・三%、ビタミンEは九一・九%となった。またカロリー表示が一ニ〇〇となっているものは五〇〇からニ五〇〇の上下幅があった。この報告は公衆衛生の専門誌に発表される。
ラリッサ・ラメニャさん(弁護士23)はそのうちの一つのメニューを実行、一週間に五キロ痩せるという抜群の効果に喜んだ。メニューは朝はハムとチーズ入りのオムレツ、昼は鶏か肉と葉野菜、夜はハンバーグだった。しかし次第に衰弱を感じ、吐け気と共に頭痛がしだし、ダイエットを中止せざるを得なかったという。またミゲル・マルセロさん(デザイナー22)は同じく一週間に四・五キロ痩せたが激しい胃痛に襲われた。その後、医師に相談しダイエットをしているが、健康状態快適で、食事療法をしていても空腹は感じないという。「素人療法」は危険だと述懐する。