ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ハイチで銃撃戦=ブラジル平和部隊が援護で

ハイチで銃撃戦=ブラジル平和部隊が援護で

10月29日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】中米のハイチに駐留する国連のブラジル平和軍部隊は二十七日、同国ポルトーフランスのベル・エア貧民街で蜂起軍と銃撃戦を交わした。同国の警察が武器隠蔽の通告を受けて出動したのに対し、ブラジル軍が側面の援護射撃を行ったとされる。
 ブラジル駐留軍ペレイラ司令官の報告によれば、同市は二百万人の人口を擁し犯罪絡みの小競り合いは、犯罪都市並に日常茶飯事という。ブラジル軍に負傷者はなかった。今回の銃撃戦は珍しい規模だった。実戦の様子は外国の報道機関が録画し、近日世界へ放映されると伝えてきた。
 ブラジル軍の駐屯以来、現地の治安はほぼ鎮圧され商業は平常通りに活動しているという現地報告だ。ベル・エアは同市最大の貧民街で、二月に失脚したアリスチデ前大統領支持派の根城となっている。
 同国の政情は、一触即発の状態にあり新たな政変がいつ起きてもおかしくないようだ。ハイチ問題の根本解決は財政と政治といわれ、武力鎮圧だけでは解決しないとみられている。
 同国に対する資金援助は、資金の運用機能が不完全なため遅々として進んでいない。チリのワーカー外相は、ルーラ大統領とアモリン外相を訪ね米政府の支援と共に、ハイチの財政問題への介入でブラジル政府の陣頭指揮を依頼した。
 ハイチの治安維持も重要だが、軍隊派遣よりガルシア大統領外交顧問の出陣を、ワーカー外相が要請した。ハイチでは二大勢力が両極化していることで同顧問は十一月初旬、ハイチへ下見に行く予定となった。